ドール職人のドールライフと日常を綴る日々。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


親がいなくなった今
私が親の人生や 時々に感じていたであろう思いを
知る術はなくなったので、
両親の人生は誠にミステリアスである。

もちろん生前語っていたことや
他の存命の親族からも聞く機会はあるのだけれど
人の人生は多角的なために
良い話をした人がいたかと思うと全く逆に
ものすごい勢いで批判する人もいたりする。
だから実際のところ、本当の事なんて誰にも解らないのかもしれない。


我が家はちょっと複雑な家庭環境だったので
最初 タイトルの
「ド根性ガエルの娘」をほんの好奇心で読んだとき
第一話目で吉沢氏が原稿すっぽかしてパチンコ屋で遊んでて、
迎えに来た大月さんにキレてゴミ箱を投げつけるシーンから
始まるんだが

「うあ、うちの母親そっくりのキレっぷりだ」

と 心臓がバクバクしてしまった。

本作品は大昔ジャンプで連載されていた
「ど根性ガエル」の吉沢やすみ氏の長女である
大月悠右子さんが描いた
一発屋漫画家の父親を持つ一家族の物語である。

家族の形の賛否はどうあれ
彼女は出来るだけ読者に誤解なく伝わるように
色々な人からの視線を交えながら描いている。

また 自分が両親から受けた数々の
筆舌に尽くしがたい仕打ちの数々や、
それに対する彼女の反応も
かなり正確に描かれていて、読むのがつらくなる時もある。

ていうか ど根性ガエルって
どこが面白いのかわかんない漫画だったんだけどな。
話の核が無いんだもの。

しかしながら父親・吉沢やすみ氏は
極端な内弁慶で、ギャンブル依存症で
本作を読んでても本当に酷い、
出て行って欲しいレベルの毒おやじなのだが
時にやさしくて、弱くて、
家族というものの形への執着に近い愛情が垣間見えるところも
描かれている。

娘とはいえ第三者が描くのには至難の業じゃなかろうか。
少なくとも私には無理。

よく こんなに逡巡を重ねたであろう苦労を経て
世の中に自己のカタルシスを放ったものだなと
敬意に似た感情を抱く。
漫画家のご主人が彼女を理解し
支えていらっしゃるんだろうなと
その部分を 一読者の私は安堵している。

お母さんがひとえにこのダメ男が好きだったから
この家族の一定のバランスは保たれいて

とは言ってもそのお母さんも心労は半端なく

誰にも自分の苦労を言えず、子供たちにも見せず
ギリギリのところで踏ん張っていたということを
大人になった作者の大月さんが
当時辛かったことをわかってあげられなくてごめんね と
伝えるシーンがある。

これが漫画で描かれていることに凄さというか、
驚きを禁じ得ないのである。

よくネームの段階でくじけなかったなぁ。
めちゃくちゃ風通しのいい商業ベースに
乗せられる作品によく仕上げたなぁ。

何が彼女をそこまで駆り立てるのか
最後、彼女は何をもって話をくくるのか全く見えないけれど

家族の人生のことは
みんなおそらく割と知らない。

知らないところで自分と接点があったところの
話をつないで物語にできる人というのは
ある意味非常にまれな存在で、
なかなか無い作品なのかもしれない。



関連記事
スポンサーサイト

[2017/09/14 16:53] | レビュー
|
コメント:
この記事へのコメント:
コメント:を投稿
URL:

パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。