ドール職人のドールライフと日常を綴る日々。

先週はとにかく自分的に多忙で、
色んな人に会って色んな事をしなくてはならなかった。

で、神経が立っていたのかうまく眠れてなかった。

週の最後に子供のけがで病院に連れて行った時
医者の顔を見た瞬間
バチン、 と 頭の中でブレーカーが落ちるような
音がした。

たいがいの開業医って、
腕は良くても開業当初は穏やかな目をしてるのに
客足が増えて繁盛すると目が無表情に変わるなぁ。
仕方がないんだろうけどそれが嫌だ。





遠い昔 
うちの母親は非常に魔力の強い魔女のような
女だった。

父は彼女の激情に耐えられなかったのだろう、
よそへ妾を囲った。
何もかもを放り出し、激高した彼女は金庫から
札束を握りしめ私と兄を連れて家を出た。

そして上の兄は溺愛したが
黙って遠くの地方へ家出同然にいなくなった。
残った一人娘に関しては、
成人して家を出るまで
呪文のように事あるごとに
いや 多分何もなくても言い続けたのだ。

「お前なんか女に生まれたから
おろされずに食わせてもらって大きくなれたが
それでも頭も悪いし器量も悪い。
一生嫌われ者だよ。
最後は野垂れ死にだ。」

なぜそんな恐ろしいことを言うのか
理解できなかった。
わけがわからないままに、
呪文は刺青のように刻印され
この何十年も何かのきっかけで思い出しては
苦しんできた。
だから今でも寝る時は耳栓が手放せない。

母親が死んでもなお、魔術は有効だった。
こういうのは不条理だと頭でわかっていても
理屈じゃないのだ。
忘れたころに人の暗い、無表情な目を見ると
刻印がぶわっと浮き上がってくる。

そして呪文は母親の声で返答する。

「ほら、やっぱり(笑)。」

今二人の息子の母親になった私はまだ
子供のころのこの出来事に悩まされ、泣くことがある。

だが
別に教えたわけでもないのに
中学生に成長した下の子は
ぴったりと肩を引っ付けてきて

「悪いのはお母さんじゃないからね。
意地悪なことをやる人間が悪いんやで。
泣いてもいいし。
僕は、充電してあげる。」

ありがとう、私情けないね と 言うと

「そーゆーのなし。
お母さんのせいやないもん。」

子供にはへなちょこっぷりを散々見せて
育ててきたが 
幸い二人にはあの女の魔力は及ばなかったようだ。
私にはそれができただけでも本当に良かった。

そうこうしてるうちにLINE通話の音が鳴る。
上のぼーずである。

「どうかした?」

「LINEの反応が薄かったから
なんかあったかなと思って。」

「勘のいいガキはこれだから…」

「ハガレンかよwww」

そこからゲームの話や
今自動車学校に通っているので
そこでの話などを小一時間ほど話をする。

何も気にしなくていい、
ちょっと間が抜けてても許してくれる。
子供たちという大きな慰めが
私に与えられたことを感謝している。
歳をもっと取っても迷惑かけないように
エンディングノートくらいは書いておかなきゃなぁと
考える昨今。

呪文のトラウマにどっぷり疲れた週末から明け。
ベランダの窓を開けて外の風をいっぱいに吸い込んで、
隣のクッションで丸々としているうちの猫様を撫でつつ
ドール服のデッサン画を描く。

後から気が付くことが多いことは困るけど
きっかけさえあれば、身体は勝手にふし浮きでも
浮き上がるようだ。

すこしづつ、痛みが消えてくれればいい。
呪文や魔法は私の代でおしまいでいい。



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遠い昔 
うちの母親は非常に魔力の強い魔女のような
女だった。

父は彼女の激情に耐えられなかったのだろう、
よそへ妾を囲った。
何もかもを放り出し、激高した彼女は金庫から
札束を握りしめ私と兄を連れて家を出た。

そして上の兄は溺愛したが
黙って遠くの地方へ家出同然にいなくなった。
残った一人娘に関しては、
成人して家を出るまで
呪文のように事あるごとに
いや 多分何もなくても言い続けたのだ。

「お前なんか女に生まれたから
おろされずに食わせてもらって大きくなれたが
それでも頭も悪いし器量も悪い。
一生嫌われ者だよ。
最後は野垂れ死にだ。」

なぜそんな恐ろしいことを言うのか
理解できなかった。
わけがわからないままに、
呪文は刺青のように刻印され
この何十年も何かのきっかけで思い出しては
苦しんできた。
だから今でも寝る時は耳栓が手放せない。

母親が死んでもなお、魔術は有効だった。
こういうのは不条理だと頭でわかっていても
理屈じゃないのだ。
忘れたころに人の暗い、無表情な目を見ると
刻印がぶわっと浮き上がってくる。

そして呪文は母親の声で返答する。

「ほら、やっぱり(笑)。」

今二人の息子の母親になった私はまだ
子供のころのこの出来事に悩まされ、泣くことがある。

だが
別に教えたわけでもないのに
中学生に成長した下の子は
ぴったりと肩を引っ付けてきて

「悪いのはお母さんじゃないからね。
意地悪なことをやる人間が悪いんやで。
泣いてもいいし。
僕は、充電してあげる。」

ありがとう、私情けないね と 言うと

「そーゆーのなし。
お母さんのせいやないもん。」

子供にはへなちょこっぷりを散々見せて
育ててきたが 
幸い二人にはあの女の魔力は及ばなかったようだ。
私にはそれができただけでも本当に良かった。

そうこうしてるうちにLINE通話の音が鳴る。
上のぼーずである。

「どうかした?」

「LINEの反応が薄かったから
なんかあったかなと思って。」

「勘のいいガキはこれだから…」

「ハガレンかよwww」

そこからゲームの話や
今自動車学校に通っているので
そこでの話などを小一時間ほど話をする。

何も気にしなくていい、
ちょっと間が抜けてても許してくれる。
子供たちという大きな慰めが
私に与えられたことを感謝している。
歳をもっと取っても迷惑かけないように
エンディングノートくらいは書いておかなきゃなぁと
考える昨今。

呪文のトラウマにどっぷり疲れた週末から明け。
ベランダの窓を開けて外の風をいっぱいに吸い込んで、
隣のクッションで丸々としているうちの猫様を撫でつつ
ドール服のデッサン画を描く。

後から気が付くことが多いことは困るけど
きっかけさえあれば、身体は勝手にふし浮きでも
浮き上がるようだ。

すこしづつ、痛みが消えてくれればいい。
呪文や魔法は私の代でおしまいでいい。



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[2019/06/10 15:41] | 育児
|


甲辰
すごい記事でした。

僕にも 呪文 があります。幸いなことにといったら変ですが、親ではありませんでした。サラリーマン時代の最初の1年半ほどでしたが、この1年半で生きる気力をなくし、生きる気力をもらいました。

なくし もらいました 
というのは、ベクトルとかバランスが変わってしまったのです。それは、1つには 呪文をかけた人間を呪う が生きる原動力になるということを肯定してしまったからです。まあ、現実的には何も出来ませんが。それで僕は生きていられるのだど思っています。気持ちのいいものではありませんが、少なくとも 呪文 をかけられたこともない人たちが 前向きに とか 恨むな とか人にいうよりは、よほど正直だと自分では思っています。

ヘンなコメントですみません。


>甲辰さん

あまり愉快な話題ではないので、
もしも不快にさせてしまっていたらすみません。
執着心や支配的な人は魔力が強いと思います。
更に、私は人生において度々そういう人種に遭遇していますので 個人的に今更綺麗なことなどは言いたくもないのです。
これは絶対あんたの真逆を生きてやるっていう、自身のルサンチマンを吐き出した記事です。


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この記事へのコメント:
すごい記事でした。

僕にも 呪文 があります。幸いなことにといったら変ですが、親ではありませんでした。サラリーマン時代の最初の1年半ほどでしたが、この1年半で生きる気力をなくし、生きる気力をもらいました。

なくし もらいました 
というのは、ベクトルとかバランスが変わってしまったのです。それは、1つには 呪文をかけた人間を呪う が生きる原動力になるということを肯定してしまったからです。まあ、現実的には何も出来ませんが。それで僕は生きていられるのだど思っています。気持ちのいいものではありませんが、少なくとも 呪文 をかけられたこともない人たちが 前向きに とか 恨むな とか人にいうよりは、よほど正直だと自分では思っています。

ヘンなコメントですみません。
2019/06/13(Thu) 11:58 | URL  | 甲辰 #-[ 編集]
>甲辰さん

あまり愉快な話題ではないので、
もしも不快にさせてしまっていたらすみません。
執着心や支配的な人は魔力が強いと思います。
更に、私は人生において度々そういう人種に遭遇していますので 個人的に今更綺麗なことなどは言いたくもないのです。
これは絶対あんたの真逆を生きてやるっていう、自身のルサンチマンを吐き出した記事です。
2019/06/13(Thu) 21:49 | URL  | 雅 #-[ 編集]
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